みなさんこんにちは災害医療大学です。
2020年に東京オリンピックが開催されますね。
盛り上がればうれしいです。
さて、オリンピックのように人が集まるということは、
テロにも気を付けなければですね。
ということで、東京オリンピックで化学テロが起きたことを想定した研究を紹介します。
ちなみに、厚生労働省から315万円の補助金が出ている研究です。
2020年オリンピック・パラリンピック東京大会等に向けた化学テロ等重大事案への準備・対応に関する研究
2018年に行われた研究です。
詳細はこちら 日本の研究.com
では、研究内容行ってみましょう。
化学テロ発生時の対応の日本と海外の違い
海外の先進的な指針の検証と、日本の現在の指針を比較し、改善すべき方向性を検討しました。
結果
海外では人命救助の速さを強調し、特別な資材がなくとも行動を開始する
支援が必要な被災者対策が明確化されている
日本の指針では救命の観点、論理性に課題がある
化学テロ発生時の病院内での対応計画
①災害拠点病院や総合病院の対応
②一般病院の初期対応と準備
③病院の受け入れ能力を超えた時の地域計画
の3パターンで想定した。
結果
現場においてすべての傷病者を把握することは難しい
多くの患者が現場管理をすり抜けて病院にいってしまう
除染に時間がかかり、除染前に病院にいってしまう
化学テロ発生時の必要な薬の種類・量
必要になる解毒薬・拮抗薬に関するアンケートを行い、在庫を確認した。
会場でサリン散布事案を想定したシナリオを作った。
結果
屋外大型競技場〈患者750名〉・屋内大型競技場〈患者500名〉で、
半径10キロ以内の災害拠点病院に搬送した場合、
各施設の解毒薬・拮抗薬の量では継続投与はおろか、初期投与分を賄えない
化学テロ発生時の必要な薬の種類・量
化学災害・テロに関する情報から、事実を整理し、サリンテロを中心に化学兵器危機管理データベースを作成した。
結果
日本中毒情報センターの基本データベースに改変を加えた。
参考:日本中毒情報センター
国家備蓄・流通在庫の配送
外国での解毒薬・拮抗薬の流通モデルや体制を調査した。
それをもとに東京オリンピックにおける薬の配備、搬送を検討した。
結果
アメリカとイスラエルにおいては国主導で体制づくりが行われている
検討の結果、解毒薬・拮抗薬は新たに国家備蓄が必要である
早期投与を目標とすると、
東京23区内の地域災害拠点中核病院の7病院に初期配置する
以上、研究内容でした。
2018年の時点でこのように研究発表がされているので、
対応は進んでいるのではないでしょうか?
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